「ここでの1時間は、地球の7年」…その絶望の意味を知った時、あなたは絶対に見たくなる。

映画のエンドロールが流れている間、しばらく椅子から立ち上がれなかった経験はありますか?

私は先日、ある作品を見て、まさにその状態になりました。
呼吸をするのも忘れるほど没頭し、見終わった後には心地よい疲労感と、言葉にできないほどの感動に包まれる。

その映画とは、クリストファー・ノーラン監督の傑作『インターステラ―』です。

インターステラー (映画)のサムネイル
インターステラー』(原題: Interstellar)は、2014年公開のアメリカ合衆国の映画。ジョナサン・ノーランとクリストファー・ノーランの脚本による叙事詩的SF映画。監督はクリストファー・ノーランが務め、理論物理学者キップ・ソーンが科学コンサルタントを務めた。…
110キロバイト (13,816 語) - 2025年11月1日 (土) 00:04

ノーラン監督といえば、最新作の話題も持ちきりですね。新作公開の前に過去の名作を振り返るには絶好のタイミングかもしれません。

クリストファー・ノーラン監督最新作『オデュッセイア』来年日本公開決定! 神話の世界で描かれるアクション超大作
同監督による『オッペンハイマー』『TENET テネット』『ダンケルク』『インターステラー』『インセプション』、そして『ダークナイト』三部作の世界興行収入の総…
(出典:クランクイン!)
「宇宙ってすごくファンタジーでもあるし、でもすごく身近なみんなのロマンがつまっていると思う。それをすべて表現してくれる作品に出会えたことにマジで幸せ。」

見終わった直後、私は思わずこんなメモを残していました。
大げさでもなんでもなく、『インターステラ―』は間違いなく、自分の生きてきたなかで最高の映画になったかもしれません。

今回は、なぜこの映画がここまで私の心に深く刺さったのか。ネタバレを恐れずにその魅力を語り尽くしたいと思います。
(※ここからは物語の核心に触れる部分があります。未視聴の方はご注意ください!)


(出典 都内暮らしアユミのブログ)

1. 「残酷な選択」が生む親子のドラマ

この映画をただの「宇宙冒険モノ」だと思っていると、序盤から心をえぐられます。
物語の根底にあるのは、壮大なSF設定ではなく、泥臭いほどの「親子の愛」だからです。

夢と娘、どちらを選ぶのか

主人公のクーパーは、元エンジニアでありパイロット。しかし、荒廃した地球ではそのスキルは不要とされ、農夫として生きています。
そんな彼に舞い込んだ「人類を救うために宇宙へ行く」というミッション。

それは、エンジニアとしての自分の夢を叶えるチャンスであると同時に、愛する娘・マーフとの別れを意味していました。

娘との別れのシーンは、見ていて本当に辛かった。
泣き叫んで引き留める娘を振り切って家を出るクーパー。彼は車の助手席にある毛布をめくり、そこに娘が隠れていないか確認します。
いなかった時のあの落胆した表情。

自分の夢と、娘との大切な時間。
この二つを天秤にかけなければならない主人公の描写があまりにも残酷で、胸が締め付けられました。

「必ず帰ってくる」という約束が、これほど重く、不確かなものとして響く映画は他にありません。

2. 1時間が7年…「相対性理論」がもたらす絶望

私がこの映画で最も衝撃を受け、そして恐怖したのは、「時間のズレ」の描写です。

彼らが最初に訪れる「水の惑星(ミラー博士の星)」は、超大質量ブラックホール「ガルガンチュア」のすぐそばに位置しています。
その強大な重力の影響で、時間の流れが極端に遅くなっているのです。


(出典 mehori.com)
「ここでの1時間は、地球の7年に相当する」

このセリフを聞いた時、背筋が凍りました。
たった数時間の滞在で、地球にいる家族は何十年も歳をとってしまう。失敗は許されない緊張感。

失われた23年と、ビデオメッセージ

しかし、トラブルは起きます。
波にのまれ、脱出に手間取った彼らが母船に戻った時、待っていたのは残酷すぎる現実でした。

「待っていたぞ」と迎えた仲間のロミリーは、白髪になり、老け込んでいました。
彼らが惑星に降りていた数時間の間に、地球(と母船)ではすでに23年もの時間が経過していたのです。

その事実を突きつけられた後のシーンが、この映画のハイライトの一つです。
クーパーが溜まっていた23年分のビデオメッセージを見るシーン。

画面の中で、息子は高校を卒業し、結婚し、子供が生まれ、そして……。
数分前まで子供だったはずの我が子が、次々と自分と同じくらいの年齢に成長していく。
最初は笑顔で見ていたクーパーが、次第に号泣し、崩れ落ちていく。

宇宙と地球の時間の歪み。
それは教科書で習う「相対性理論」なんて言葉では片付けられない、「宇宙の怖さ」と「取り返しのつかない絶望」そのものでした。

こっちまで息がつまるような感覚。宇宙怖すぎる!(笑)
未知の世界へのロマンと、人間を拒絶するような大自然の恐怖が入り混じった、映画史に残る名シーンだと思います。

3. 極限状態での裏切り、マン博士の孤独

物語の中盤、氷の惑星で出会うマン博士のエピソードも考えさせられました。
彼は優秀な科学者であり、英雄とされていましたが、クーパーたちを裏切り、殺そうとします。

普通なら「なんてひどい奴だ!」と怒るところですが、私は彼をどうしても憎みきれませんでした。

彼は何年も、何十年も、たった一人で氷の惑星で眠り続けていました。
救助が来る保証もない。死ぬのを待つだけの時間。

「マン博士の孤独に耐えきれなくて、裏切ってしまうシーンは、そういう状況になったら誰でも裏切るだろと思ってしまう。」

生きている感覚すらなくなってしまう恐怖。
孤独がどれほど人の精神を蝕むのか。マン博士の行動は、人間の弱さと生存本能をリアルに描きすぎていて、見ていて痛々しいほどでした。
宇宙という過酷すぎる環境では、善悪の境界線すら曖昧になってしまうのかもしれません。

ネット上でも、このシーンには多くの反響がありました。

4. 時空を超えた「愛」のメッセージ

絶望的な旅の果てに、物語はクライマックスへ向かいます。
ブラックホールの中、5次元空間に投げ出されたクーパー。

そこで彼が見たのは、かつて自分が娘を置いて出ていった、あの日の部屋の裏側でした。
彼は本棚の隙間から、過去の自分と娘に必死にメッセージを送ります。

「STAY(行くな)」と。

序盤で娘が言っていた「幽霊」の正体が、実は未来の父自身だったと分かるこの伏線回収。
鳥肌が立ちました。

科学と愛の融合

劇中、アメリア博士がこんなセリフを言います。
「愛は観察可能な力よ。愛だけが、時間と空間を超えられる」

最初は少しロマンチックすぎるセリフだと思っていました。
でも、ラストシーンを見て納得しました。

父が伝えたかったことが、時計の秒針(モールス信号)を通じて、時空

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